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フリーアドレスの目的とは?導入することで得られるメリットを紹介

フリーアドレスという働き方をご存じですか?1980年代後半に生まれ、世界中の注目を浴び、さまざまな企業が導入している新しいワークスタイルのひとつです。今回の記事は、このフリーアドレス導入の目的やメリットについて、わかりやすく解説します。フリーアドレスの導入を検討する際の参考にされてください。

そもそもフリーアドレスとは?

フリーアドレスとは、オフィス内で社員の固定席を設けず、それぞれが自由な席で働くワークスタイルのことです。オフィスに、カフェや図書館を思わせる長いテーブルと複数の椅子を設置します。業務内容や就業時間などにあわせ、自分が働くための好きな場所や席を選択できるため、限られたスペースを有効活用できます。日本でも1980年代後半から導入が始まったフリー(自由)アドレス(所在場所)は、政府主導の働き方改革やコロナウイルス感染拡大の影響など働く環境の変化もあり、近年では様々な業種で採用されている新しいオフィスのあり方です。

フリーアドレスはなぜ必要なのか?

近年、フリーアドレスを導入する企業が増加傾向にあるようです。しかし、なぜフリーアドレスが必要とされるようになったのでしょうか?ここからは、フリーアドレスを導入する主な目的について解説します。

導入する目的①:空間の有効活用

従来のオフィスは、基本的に「社員全員分の座席を準備する」ため、人数分の絶対的なスペースが必要となります。レイアウト次第では、座席やオフィス内にデッドスペースができることも珍しくありません。それに対し、フリーアドレスのスタイルは「社員全員分の座席を準備しない」ことが大前提とされています。企業における座席の使用実態を踏まえ、限られた社内の空間を効率的に稼働させることが、フリーアドレスを導入する大きな目的のひとつです。

導入する目的②:コミュニケーションの強化

企業内の情報共有や意思疎通の強化も、フリーアドレスを導入する目的です。社員の固定席を設けないフリーアドレスは、一般的な企業における部署・部門・役職という区切りがないため、フラットな職場環境が生まれることになります。シームレス化されたオフィスでは、毎日、他部署・他部門との人とも顔をあわせることから、企業内全員とのコミュニケーションが図りやすくなります。これにより、企業内における人間関係の活性化が高まるようになるでしょう。

導入する目的③:新たなアイデア・企画の創造

フリーアドレスを導入することにより、部署や部門という垣根を超えた交流やディスカッションが盛んになるため、新たなアイデアや企画の創造が期待できます。固定席を設けないフリーアドレスは、業務の度に隣人が異なるワークスタイルです。常に自分を新鮮な環境に置くことができ、何気ないコミュニケーションから、新たな情報や知識、異なる発想や着眼点に触れ、有益な企画の誕生につながる可能性が膨らみます。

フリーアドレスを導入するメリット

政府が促進する働き方改革にも通じるフリーアドレスは、企業やオフィスにどのようなプラス効果をもたらすのでしょうか?ここからは、フリーアドレスを導入することによって得られるメリットを解説します。

導入するメリット①:コスト削減

フリーアドレスを導入すれば、省スペース化を実現できるため、大幅なコスト削減につながります。具体的には、オフィスの賃料、固定席に必要な机や椅子などの什器購入費用などのコスト削減が可能です。また、固定席を設けないフリーアドレスは、自然とペーパーレス化にもつながることから、紙代や印刷代などの費用を抑えることもできるでしょう。さらに、施設の維持・運用・管理といった賃料以外のファシリティコストも見直せます。

導入するメリット②:業務に応じた柔軟性の向上

社員の固定席を設けないフリーアドレスは、オフィス内のレイアウト変更が必要ないため、さまざまな状況にあわせ、臨機応変な対応が実現できます。たとえば、組織変更・プロジェクト・急な社員の増減があっても、即座に席替えや集合が可能です。また、大規模な会議や小ミーティングを開催する場合、別途会議室を用意する必要もありません。このような業務に応じた柔軟性の向上も、フリーアドレス導入のメリットに挙げられます。

導入するメリット③:環境美化の促進

固定席を設けた場合、どうしても書類や備品、私物などで机上や周辺が雑然となりがちです。また、不要な書類の処分や整理整頓も後回しにされることが多くなり、オフィス内の美観を損ねることになってしまいます。しかし、固定席のないフリーアドレスは、社員が業務において必要最低限の荷物を所持・移動し、共有の机を省スペースで使用するため、整理整頓が必須です。そのため、自然とオフィス内の環境が美しく保たれ、その結果、業務の快適性や効率性の促進につながるようになるでしょう。

フリーアドレス導入のポイント

フリーアドレスを導入する場合、事前に対処が必要な注意点もあります。それがオフィス内での目的・整備・ルールの確立です。ここからは、フリーアドレス導入を成功させるため、抑えておくべき3つのポイントを見ていきましょう。

ポイント①:導入の目的

まずは、フリーアドレス導入の目的を明確にさせ、全社に浸透させることです。導入理由が不明確であれば、部署や部門でのコミュニケーションや連携にも支障が生じ、団結力や管理力の低下、個々の負担増加、既得権益の喪失感、孤立感など、デメリットばかりが目立ってしまいます。導入前には、必ず社員にその意図や意義を説明し、フリーアドレス導入の目的に対する理解と納得が得られるように努めてください。

ポイント②:環境と制度の整備

オフィス内の環境と制度の整備も、フリーアドレス導入の重要なポイントです。固有席を設けないフリーアドレスでは、社員が自由な席や場所で働けるように、持ち運び可能なパソコン、携帯電話を貸与することが必須になってきます。また、不便のないネットワーク環境やアウトプット環境の整備、ペーパーレス化の促進なども、フリーアドレス導入に欠かせません。さらに、個々の荷物や私物を保管できる個人ロッカーや、私語厳禁の空間、仕切りのある空間を設ける配慮も必要になってきます。

ポイント③:運用ルールの取り決め

フリーアドレス導入の際は、必ずオフィス内の運用ルールを取り決めましょう。具体的には「固定席、固定場所を設けない」「業務終了後や退勤時は、デスクに荷物を置かない」「同部署・同部門内における報連相の徹底」「ペーパーレス化の強化」「デスクを離れる時は、必ず掃除すること」などです。その他にも、勤怠管理の見直しや朝礼・終礼の有無、電話や郵便物の対応など、新たな自社の運用ルールを確立させ、社員に理解・周知させてください。

フリーアドレス導入は事前準備が重要なポイント

フリーアドレスは、オフィスにおける空間の有効利用、情報共有・意思疎通の強化、新たなアイデアや企画の創造を主な目的としています。社員個々の選択する自由を重視しているため、社内に固定席を設けないことが最大の特徴です。フリーアドレスの導入は、企業のコスト削減、業務の柔軟性向上、職場環境の美化など、さまざまなメリットが期待できます。導入前には、自社に必要・適用できるスタイルか否かを十分検討しなければなりません。そして、フリーアドレス導入の目的と環境や制度の整備、運用ルールを明確化し、社員の理解と同意を得られるようにしましょう。

まとめ

そもそもフリーアドレスとは?

オフィス内で社員の固定席を設けず、それぞれが自由な席で働くワークスタイルのこと

フリーアドレスはなぜ必要なのか?

  • 空間の有効活用
  • コミュニケーションの強化
  • 新たなアイデア・企画の創造

フリーアドレスを導入するメリット

  • コスト削減
  • 業務に応じた柔軟性の向上
  • 環境美化の促進

フリーアドレス導入のポイント

  • 導入の目的
  • 環境と制度の整備
  • 運用ルールの取り決め

フリーアドレス導入は事前準備が重要なポイント

自社にとってフリーアドレスが有効かよく検討し、目的を明確化し、環境や制度・運用ルールを整備して社員の同意と理解を得てから開始するべき

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