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オフィスレイアウトは管理職の配置がポイント!フリーアドレスではどこが正解?

リモートワークが普及している昨今ですが、オフィスでの仕事もまだまだ多いのが現状です。オフィスのレイアウトは時代とともに進化しており、特に管理職のデスク配置は、業務遂行のうえで重要になってきています。
以前は、管理職のデスクはオフィスの窓際や部屋の奥に配置されるのが一般的でした。しかし昨今では、そのようなレイアウトが少なくなっています。
当記事では、現在のオフィスレイアウトを紹介しながら、管理職のデスク配置のポイントについて解説します。

オフィスレイアウトで管理職の配置が重要なのはなぜ?

仕事を円滑に進めるうえで、管理職と部下との距離感は重要なポイントです。距離感が近すぎても部下は威圧感を覚えやすく、遠すぎればコミュニケーションが取りにくくなります。
オフィスレイアウトで適切な距離感を保つべき理由はなぜか、解説していきます。

近すぎると監視されていると感じる

オフィスレイアウトにおいて、管理職のデスクが部下の目の前という配置では、部下は常に上司から仕事の様子を監視されているように思うこともあるでしょう。部下からすれば、上司からプレッシャーを受け続けているように感じてしまい、本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。
オフィスの間取りの都合もありますが、管理職と部下の距離感が近すぎるレイアウトには注意しましょう。

コミュニケーションを取りやすい距離感が重要

管理職と部下の距離感が近すぎると、部下はプレッシャーとストレスを感じやすく、パフォーマンスも下がってしまう可能性があることは前述の通りです。かといって、距離感が離れすぎてしまっても、コミュニケーションを取りにくくなってしまいます。管理職と部下のデスク配置には、適切な距離感を保つことが理想です。
遠すぎると、物理的な距離はもちろん、心理的にも部下が上司への相談をしにくくなるため、心地よい距離感を意識してレイアウトするのが、コミュニケーションを円滑にするうえでも重要です。

管理職から部下の顔が見える

管理職の視点から考えると、部下の顔が見えることは大変重要です。上司のデスクから部下の顔色がうかがえるようになると、仕事の進捗の滞りや悩みを抱えていないかなど、部下の状況を把握できるケースもあります。
管理職にとっては、部下の顔が見えるレイアウトは大きなメリットとなるでしょう。

オフィスレイアウト(管理職の配置を含む)の一般的な例

管理職が部下と適切な距離感を保ちながら、業務の効率化もできるオフィスレイアウトの例を紹介します。

入口側に管理職のデスクを配置する

これまでのオフィスレイアウトの場合は、管理職のデスクが入口から遠い位置に配置されるのが一般的ですが、あえて入口側に管理職のデスクを配置します。すると、オフィスに出入りする部下が上司の横を通ることになり、お互いにコミュニケーションを取りやすくなります。
入口側に管理職のデスクを配置すると、管理職からは部下の顔が見えやすく、部下からは上司への相談がしやすいレイアウトになります。入口の方角によっては直射日光が入ってモニターを見えにくくするため、ブラインドやパーテーションでの工夫も必要になることも覚えておくといいでしょう。

サークルの中心にデスクを配置する

サークルデスクとは、半円形のデスクを2つ組み合わせ、中心に管理職の机を配置するレイアウトです。円の中心で管理職が業務を行い、周囲を部下が囲む形になります。
部下の目の前に上司がいるため、部下から相談を持ち掛けやすいメリットがあります。また、管理職側にとっても、少し見回せば部下全員の様子を確認できる点がメリットです。
サークルデスクは、コミュニケーションの円滑化、業務の効率アップに効果がもたらされるレイアウトになります。

対向式レイアウト

オフィスのレイアウトでよく見られるのが、対向式レイアウトです。机同士を隣接させて、社員同士が向かい合う形になります。
少ないスペースでも配置しやすく、コミュニケーションも取りやすいのが特徴です。一方で、社員同士が近すぎてプライバシーを確保しにくいという難点もあります。
対向式の場合は机の間にパーテーションを配置し、プライバシーを確保するのがおすすめです。

働き方の変化に対応したオフィスレイアウトとは

仕事は時代とともに変化し、それに伴って働き方も変化しています。現代の働き方に適したオフィスレイアウトについて見ていきましょう。

窓際の使い方・新旧比較

従来のオフィスでは、入口から遠い窓際に管理職のデスクが配置されてきました。また、会議室や応接室も奥まった部屋が使われており、目立ちにくい場所にあるのがスタンダードでした。
現代のオフィスでは窓際の使い方も変わってきており、集中席や休憩席、オープンミーティングスペースとして窓際を活用するレイアウトに移行しています。また、窓際に管理職のデスクがあると、夏は暑く、冬は寒いうえ、日光でモニターが見えにくく、デメリットのほうが多いでしょう。
現代ではコミュニケーションの取りやすさも、仕事における大事な要素です。そのため、オフィスは徐々にオープンなスペースになりつつあります。

オフィスや会議室の奥に管理職の席が配置されている理由

なぜ以前のオフィスは管理職のデスクが奥に配置されていたのか、疑問に思う方も多いはずです。その理由としては、日本の伝統的な席次が関係していると考えられているようです。
日本では伝統的に入口側を下座、奥を上座として、家長は上座に座るものでした。その考え方がオフィスにも反映されており、管理職の人が座るのは上座と捉えてレイアウトがされていました。
しかし、時代とともに働き方も変化してきています。オフィスレイアウトも時代に適合していくことが重要なポイントです。

オフィスレイアウトで管理職を配置するコツ

オフィスで働くすべての人が円滑にコミュニケーションを取り、心地よく働けるオフィスレイアウトについて紹介します。

適度な距離を設ける

管理職と部下のデスクの距離が近すぎると、部下はプレッシャーを感じやすくなります。逆に遠すぎればコミュニケーションを取りづらく、円滑な業務の妨げになってしまいます。
デスクの距離は近すぎず遠すぎず、丁度良い距離感でレイアウトしましょう。適度に緊張感を持ってもらうためには、少し顔を向ければお互いが見える距離感がベストです。

管理職のデスクはオフィスの中央

オフィスの動線を考慮するなら、管理職のデスクは部屋の奥よりも中央に近い方が効率的です。部屋の奥や窓際にデスクがあると、部下が相談するときに部屋の端まで移動することになり非効率です。
一方、オフィスの中心に管理職のデスクを置くレイアウトにすれば、部屋のどこからでも簡単にコンタクトが取れます。相談しにくい部下が出にくくなり、コミュニケーションを円滑にできるメリットがあります。

管理職を中心に部下が周囲に座る

より効率を重視したレイアウトにするなら、管理職をオフィスの中心にして周囲に部下のデスクを配置するとよいでしょう。デスクの配置は周囲を囲むような円陣型や、上座と下座に分かれて中央に管理職を置く形でも構いません。
大事なのは上司がオフィスの中心におり、部下が周囲にいることです。業務効率とコミュニケーションを優先するなら、管理職を中心にするのが最適なレイアウトになります。

オフィスレイアウトで管理職を配置する場所のおすすめ

オフィスレイアウトにおいて、管理職のデスクをどこに配置するのがおすすめなのか見ていきましょう。

ワークスペースは管理職のデスクを中央に

ワークスペースとは、いわゆるオフィスやコワーキングスペースのことを言います。オープンスペースであっても、管理職のデスクは中央付近にくるように配置しましょう。
開かれた場では社員が自由にデスクを利用できますが、管理職のデスクの配置は決めておく必要があるでしょう。管理職がどこにいるのか都度探すのは手間になります。そのため、管理職のデスクは中央に配置するのが理想的です。

自由な意見を求めるなら丸テーブル

お互いの意見を提起して話し合いをするのであれば、丸テーブルがおすすめです。丸テーブルは社員同士が同じデスクを利用し、立場に関係なく業務が進められるという特徴があります。
管理職も部下と同じ丸テーブルを使用すれば、彼らと同じ目線で仕事ができます。業種や社員数によっても状況は変わりますが、10人程度のチームで動くのであれば、丸テーブルで自由な意見を交換することができるでしょう。
また、丸テーブルでは序列に関係のない業務を行うことも可能ですから、仕事の効率化を狙うのであれば、ぜひ実践してみてください。

インテリアゾーンを意識して配置する

窓のある空間には、窓から3〜5m程度の場所を指すペリメータゾーンと、そこから離れたインテリアゾーンがあります。ペリメータゾーンは外気や日光の影響を受けやすく、気温の日内変動が大きいため、集中を要する仕事を行うには不向きです。
一方、インテリアゾーンは空調によって室温が調整された快適な空間であり、日内変動が小さいので、とても働きやすい環境であるといえるでしょう。働きやすい環境で仕事をする方が効率は上がりますから、管理職はもちろん、従業員のデスクはインテリアゾーンに配置しましょう。

フリーアドレスでの管理職の席の扱い方

フリーアドレスは席が決まっておらず、各人が自由に座って仕事ができるワークスペースです。一般的なオフィスにあるデスクが不要なので、省スペース化を実現しやすく、社員の仕事への意欲にも繋がるというメリットがあります。
一方で、社員がどこにいるのかわかりにくい、社員間のコミュニケーションを取りにくい、管理職が部下の管理をしにくい、一部の社員だけでグループ化しやすいといったデメリットもあります。
そのようななかでも、解決しやすいとされるデメリットは、管理職の座席配置です。フリーアドレスであっても、管理職の座席は指定しておくか、座席管理システムを導入する必要があります。
フリーアドレスを採用する場合は、どのようにオフィスレイアウトを対策すれば業務が効率化できるかを考えて実践しましょう。

管理職のデスクの配置をしっかり検討しよう

管理職のデスクの配置は、オフィスレイアウトで考えるべき重要なポイントのひとつです。管理職と部下が円滑にコミュニケーションを取りつつ、部下のパフォーマンスを引き上げるレイアウトを意識しましょう。
また、業務を効率化するためにも、デスクの配置、オフィスのレイアウトの調整、コミュニケーションツールの活用などを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

オフィスレイアウトで管理職の配置が重要なのはなぜ?

管理職と部下の距離感によっては、圧迫感を与えたり、コミュニケーションに不具合が生じる。管理者にとって部下の顔が見えるレイアウトはそれぞれの状態を把握することに役立つ。オフィスレイアウトにはそれらを考慮した距離感を

オフィスレイアウト(管理職の配置を含む)の一般的な例

  • 入口側に管理職のデスクを配置
  • サークルの中心に管理職のデスクを配置
  • 対向式レイアウト

働き方の変化に対応したオフィスレイアウトとは

従来は日本の伝統的な席次の考え方から、窓際に管理職のデスクや会議室・応接室が配置されていた。最近は窓際を集中席や休憩席、オープンミーティングスペースとして利用する例が増えている。

オフィスレイアウトで管理職を配置するコツ

  • 適度な距離を設ける
  • 管理職のデスクはオフィスの中央
  • 管理職を中心に部下が周囲に座る

オフィスレイアウトで管理職を配置する場所のおすすめ

  • ワークスペースは管理職のデスクを中央に
  • 自由な意見を求めるなら丸テーブル
  • インテリアゾーンを意識して配置する

コミュニケーション不足や管理のしにくさなどのフリーアドレスのデメリットの多くは、管理職のデスクをどう配置するかで解決できる