オフィスリニューアルのメリットや費用相場、業者の選び方から流れ注意点までを解説

オフィスリニューアルは新しい働き方に必須

オフィスのリニューアルは、現代の多様な働き方をサポートするために欠かせない変化です。IT技術の進歩によりフリーアドレスをはじめ、テレワークやリモートワークの採用が進み、従来のオフィスを前提にした働き方は大きく変化しています。
そして、技術が進み、働き方が変化しているなかで、オフィス自体は旧態依然としていては、現代の働き方をサポートしているとはいえません。フリーアドレスやリモートワークを採用している会社は、働き方に合わせたオフィスリニューアルを推進しています。
新しい働き方とオフィスリニューアルには密接な関係があり、より効率的・創造的な働きを実現するために不可欠になっています。

オフィスリニューアルのメリット

オフィスリニューアルで会社にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

業務効率の改善

オフィスリニューアルは業務効率を向上させるデザインやレイアウトにすることで、従業員が働きやすい環境を実現します。従来のオフィスはデスクがいくつも横にならび、動線を意識したレイアウトとはいい難いものでした。
オフィスリニューアルはデスクやオフィス収納を新しくすることではなく、働き方、ワークフローを見直し、それに相応しい環境を整えることです。業務効率の改善、創造性の向上がオフィスリニューアルの最大のメリットです。

従業員のコミュニケーション活性化

従来のオフィスレイアウトは同じ部署、チーム内の従業員とはコミュニケーションを取りやすいですが、それ以外の従業員とは横の繋がりを持ちにくいものでした。
オフィスリニューアルでは、フリーアドレスの導入やリモートワークを前提に、社員のコミュニケーションを活性化させる環境を意識的に作ることができます。オフィスに求められる役割、機能を見直し、社内のコミュニケーションを重視したオフィスリニューアルが最近のトレンドにもなっています。

エンゲージメントの向上

エンゲージメントは従業員の会社に対する愛着や信頼、仕事への意欲に関係するものです。仕事がしやすいオフィスは、従業員のエンゲージメントを高め、生産性の向上、コミュニケーションの活性化も期待できます。

会社のイメージアップ

働きやすい環境を実現していることは、会社のイメージアップにつながります。社員の声やオフィスの様子を企業の公式サイトやSNSで積極的に公開することができます。

オフィスリニューアルのポイント

オフィスリニューアルをするためのポイントを確認しましょう。

オフィスの課題を考える

オフィスリニューアルに際しては、まず現状のオフィスにどんな課題があるのか考えます。
オフィスの動線、1人あたりのスペース、打ち合わせスペース、リラックススペースなど、オフィスにはさまざまな課題があるはずです。

課題解決に最適なデザインを検討する

課題が明確になったら、次はその課題を解決するためのデザインやレイアウトを検討します。基本的なデスクの配置、コミュニケーションを活性化する仕掛け、集中できる1人用ブースの設置など、さまざまな工夫が可能です。

コーポレートカラーを意識する

コーポレートカラーを取り入れる方法も、リニューアルでは大事な施策の1つです。壁紙やエントランスにコーポレートカラーを使用することで、従業員のエンゲージメント向上に繋げることもできます。外部に対するイメージアップ、ブランディングにもなります。

デザイン性と機能性を両立する

デザイン性を重視しすぎて、機能性、働きやすさが二の次になっては意味がありません。あくまでも一人ひとりの働きやすさを重視します。よくあるデスクだけではく、窓から外を眺めて仕事できるカウンターデスクや、ときには大きなデスクを大勢で囲んで仕事するなど、フレキシブルな働き方を目指すと、自ずとデザイン性に優れたオフィスが実現できます。

オフィスリニューアルの費用相場

オフィスリニューアルは部分的なものから、全面リニューアルまで、複数の方法があります。それぞれ費用相場を紹介します。

部分リニューアル

オフィスの一部を改装する方法です。必要最低限な部分だけを改装するため、全体を改装するよりも短期間かつ低コストでリニューアルできます。将来的に全体をリニューアルする場合は、最終的なリニューアルを見越して実施します。
リニューアルの内容にもよりますが、おおよそ坪単価10万円前後が相場です。

全体リニューアル

オフィスの全体を改装する方法です。統一感のある、自由度の高い設計が可能です。ただし、工期が長く、必要なコストも大きくなります。おおよそ坪単価20万〜40万円が相場です。

オフィスリニューアルを依頼する業者の選び方

オフィスリニューアルを依頼するときに、どのような業者を選ぶべきなのかを解説します。

施工実績の多い業者

信頼できる業者を選ぶことが大切です。施工実績を確認し、実績の多い業者を選ぶことがおすすめです。
大手のリフォーム業者であっても、デザインや内容によっては実績が少ないケースもあり、逆に中小の業者でも特定のリフォーム実績が豊富なケースもあります。依頼する前に公式サイトなどで実績を確認します。

デザインのバリエーションの多さ

業者にはそれぞれ得意、不得意があります。理想のオフィスを目指すには、まず希望するデザインを描き、それに合った実績を持つ業者を選ぶことが大事です。過去の実績から、どんなデザインを得意としているのか、どんなバリエーションを持っているかを確認します。

アフターフォロー体制が整っている

施工後のアフターフォローも重要です。リニューアル後には、施工の不備や使い勝手で想定外の事態が生じることがあります。
アフターフォローの体制が整っていて、保証期間や定期的なメンテナンス期間が設けられているかどうかを確認します。

オフィスリニューアルの流れ

オフィスリニューアルまでの流れをステップごとに解説します。

リニューアルの目的を明確にする

まず、何のためにオフィスをリニューアルしたいのか、その目的を明確にしましょう。
マネジメント層や一部のスタッフで考えるのではなく、従業員にヒアリングし、課題を洗い出すことが大事です。目的次第でリニューアルの範囲も部分的なものになるか、全体的なものになるかが変わってきます。

改装する範囲を決める

次に課題を解決するためにどこをリニューアルするのか、何をリニューアルすべきかを決定します。
希望をすべて実現することは、現実的ではありません。優先順位を明確にし、どのようなオフィスを目指すか、大枠を考えておきます。

予算・期間を決定して業者に提案依頼を行う

リニューアルのイメージが固まったら、複数の業者に具体的なリニューアル案と見積りを依頼します。想定予算はあらかじめ伝えておきます。

リニューアル案の検討・決定

リニューアル案ができあがってきたら、比較・検討します。社員からも意見を集め、リニューアル案を決定します。必要に応じて、リニューアル案の修正・ブラッシュアップを行います。見積りも詳細に詰めていきます。

業者とデザインを相談・決定する

業者とリニューアル案が決まったら、リニューアルの詳細を業者と相談しながら詰めていきます。場合によっては再見積りが必要になるでしょう。予算が膨らみすぎないよう注意します。
リニューアル案をもとに、オフィスのレイアウト、全体のカラー、使用する素材、デスクや収納などを決めていきます。

リニューアル工事の実施

リニューアル工事中も業務を止めることができません。その間、業務をどのように進めるか、休み期間を使って工事を行うかなどを決定し、リニューアル工事を行います。

リニューアル後の改善・見直し

リニューアル工事が終わったところから、新しいオフィスの環境整備、新しい働き方がスタートします。当初の目的に合っているか、細かい不具合はないかなどを確認し、オフィス環境を改善していきます。

オフィスリニューアルの注意点

オフィスリニューアルで注意すべきポイントを確認します。

原状回復ができるか

原状回復とは、賃貸借契約が終了する際、借りていたオフィスや部屋を原状（入居時と同じ状態）に戻すことを言います。オフィスを借りる場合には、通常、原状回復義務があり、原状に戻してから貸主に返さなければなりません。
リニューアルの際は、事前に貸主へと相談したうえで、原状回復の問題にならない範囲でリニューアルを行います。

消防法は守られているか

オフィスには消防法の基準が適用され、リニューアルも消防法を遵守しなければなりません。例えば、会議室を増やした場合、個室とみなされると火災報知機やスプリンクラーの設置が義務付けられます。また、避難ルートの確保も必須になります。

施工可能範囲はどこまでか

改装工事は賃貸オフィスなら、専有部分に限られます。リニューアルする際には、専有部分はどこまでか、貸主または管理者に確認します。

リニューアルは従業員の意見も取り入れて行う

オフィスリニューアルは、リモートワークやフリーアドレスを採用する会社が多くなる中、働きやすい環境づくりに必須な施策になっています。オフィスの働きやすさは従業員のエンゲージメント、生産性の向上、さらにはイメージアップにもつながります。オフィスリニューアルの際には、従業員からヒアリング調査を行い、課題や目的を明確にすることが大事です。