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フリーアドレスを女性にも男性にも快適な働き方にしたい!問題点と改善法をチェック

フリーアドレスを導入する際、社員の声を聞くことは大切ですが、女性特有の視点、男性特有の視点に気を配ることが重要になります。フリーアドレスはメリットが多い反面、今までにはなかった負荷や問題を生み出すことがあります。今回は、女性視点から見たフリーアドレスの不安や課題を取り上げ、その改善策などを紹介します。

フリーアドレスは、女性にとってちょっぴり大変そう?

フリーアドレスの導入は、働きやすい職場環境を実現するとされています。しかし、実際には女性にとって少し働きにくい環境になっていることがあります。

例えば、次のようなものがあります。

  • 使ったデスクはきれいに片付けてほしい
  • デスクに私物を置くスペースがない
  • デスクのまわりにバッグを置く場所がない
  • どこに座ればいいのかわからない

フリーアドレスは、前に誰が座っていたのかはわかりません。固定席だと自分の机は自分できれいな状態を保ち、清潔にできますが、フリーアドレスでは前に座っていた人や、前に使っていた人の痕跡が気になる人もいます。
また、フリーアドレスは収納スペースも課題です。仕事道具だけでなく、私物をどこに置けばよいのかわかりづらく、バッグを置けるカゴもほしいところです。
そもそもフリーアドレスでは、どこに座ればよいのか決めるのが難しいことも課題になります。女性は男性に比べて、フリーアドレスで大変に感じるポイントが多いといえそうです。ここでは、そうした女性特有の大変さを改善するために、ぜひ取り入れていただきたい方法を紹介していきます。

フリーアドレスとは

フリーアドレスはオフィス内に社員の固定席を設けず、日によって座席を自由に変えて働くワークスタイルです。今ではほとんどの仕事がノートパソコンで行えるため、従来のように固定した席に留まって仕事をする必要はありません。
オフィススペースを有効活用できることから、オフィスの省スペース化とコスト削減にもメリットがあります。

フリーアドレス導入の目的

フリーアドレス導入の目的は、企業によってさまざまですが、大きくは次の2つが考えられます。

  • オフィススペースの有効活用
  • 社員同士のコミュニケーション活性化

企業によっては営業や外出で日中、不在の社員も多く、デスクを用意してもあまり使用されないケースがあります。そうしたデスクはいわばデッドスペースとなり、無駄なスペースになってしまいます。
フリーアドレスなら業務内容、外出が多い社員、社内で仕事をする社員の人数などに応じて席を配置し、使いたい人が自由に席を選ぶことができます。また、座る位置を自由にすることで、業務ではあまり会話する機会の少ない社員との交流が生まれるなど、コミュニケーションの活性化も期待できます。

フリーアドレス導入のメリット

フリーアドレス導入によるメリットは次のポイントです。

  • 社員のコミュニケーション活性化
  • 業務効率の改善
  • 社員の働き方改革

フリーアドレスは自由な席を選べることから、いろいろな社員間の交流を促進し、社内の情報共有をスムーズにします。固定席での働きは仕事のマンネリ化につながりやすいですが、フリーアドレスでは毎日の変化が刺激となり、常に新鮮な気持ちで仕事に取り組めます。
また、気持ちを常に切り替えられることから、仕事への集中力が高まり、社員一人ひとりの業務効率が改善する効果も期待できます。フリーアドレスは社員が自らの働き方を見つめ直す機会にもなり、多様な働き方への理解も促進されます。

フリーアドレスが女性にとって不安に感じるとき

ただし、フリーアドレスは特に女性にとっては、従来とは異なる不安を生み出すことになります。女性から見た不安は次のものです。

  • どの席に座っていいのかわからない
  • 誰が座ったのかわからない席は使いたくない
  • 上司に相談したいときに、上司がすぐ見つからない
  • 私物を置く場所がない
  • 結局、いつも同じ席に座りそう

こうした不安を解消するためには、導入前に社員のニーズと不安に感じる点を調査しておくことが大切です。

フリーアドレスにおける女性にとっての問題点と改善法

では、そうした問題点はどのように改善、解決していけばよいのでしょうか。

デスクの汚れが気になる

誰かが使用したデスクが掃除されないままでそのままになっているのは嫌なものです。消しゴムのカスや飲み物のシミなどの汚れは気になりますし、何より不衛生です。
会社の備品としてウェットティッシュやアルコールなどを十分に準備し、常に清潔に保つようなルール作りが必要です。

私物を置く場所がない

フリーアドレスでは、私物を安全に保管できる個人用ロッカーの整備も必須です。従来の固定席は収納スペースも兼ねていたので、その代替手段は必ず用意します。
鍵付きの個人用ロッカーを配置するなど、セキュリティ面にも配慮します。カバンを置くスペースにも配慮するとなおよいでしょう。床置きしないで済むよう、フックを設けたり、カゴを準備します。

どこに座ればいいかわからない

フリーアドレスの最大の問題が、毎日、どの席に座ればよいのか迷ってしまうことといえます。気分で席を変えられるのは大きなメリットですが、毎日、席を選ばなくてはならないことは、人によっては大きなデメリットになり、苦痛に感じる人もいます。
解決策として、ツールを利用して自動的に、ランダムに席を決定してくれるシステムなどを採用するとよいでしょう。席が固定化して、フリーアドレスが有名無実になることも防げます。

上司やチームメンバーの位置がわからない

上記の席確定システムには、上司や同僚が座っている場所を知ることができる機能もあります。その他、チャットツールや勤怠管理システム、スケジュールボードで位置や行動予定を把握するための工夫も可能でしょう。

フリーアドレスが続かない原因

フリーアドレスが続かない、上手くいかない原因は何でしょうか?

グループ化してしまう

フリーアドレスは、席が自由に決められるからこそ、常に仲の良い人同士で固まってしまい、グループ化してしまうという問題があります。社員全体のコミュニケーション促進を妨げることにもなりかねないので、過度にグループ化しないように配慮する必要があります。

集中力が続かない

フリーアドレスでは、近くで仕事をする人が毎日変わることになります。場合によっては、気になって、仕事に集中できないケースもあるでしょう。また従来の固定席では目の前にはPCのモニターがあったり、書類が積み上がっていて、結果的に周囲の視線を妨げることができました。
フリーアドレスでは、ノートパソコンの利用が前提となり、机の上に書類を積み上げることはなくなるので、視線を遮るものはない、オープンなスペースになります。周囲の話し声や打ち合わせの声が聞こえ、仕事に集中できない状況も生まれます。

フリーアドレスに向かない業種だった

対面での業務がフリーアドレスに向いていないのは当然ですが、オフィスで仕事をする業種すべてがフリーアドレスが向いているわけではありません。また、同じ会社内でも経理や総務など、業務上、席を固定しておかなければならない部署もあります。

業務管理がしづらい

フリーアドレスはマネジメント職からすれば、社員の様子がひと目で確認できないため、業務管理がしづらいという問題があります。業務管理は、生産性やコミュニケーションの問題に加えて、人材育成の観点でも重要です。特に新入社員や中途入社の社員には、当面は上司の近くに座らせるなどの配慮が必要です。

フリーアドレスがうまくいく方法

フリーアドレスを成功させるための方法を紹介します。

導入の目的を社員で共有する

フリーアドレスをただ導入するだけでは、物理的な環境を変えただけで真の変化は生まれません。フリーアドレスをどんな目的で導入するのか、社員全員が目的を共有し、同じ目標を持って行動することが大切です。
目的が明確になれば、社員が自ら目的を達成するための業務改善・効率化などを考え、自発的に行動するようになるはずです。

業務をペーパーレス化する

フリーアドレス導入には、業務のペーパーレス化が必須です。仕事に必要な書類や共有すべき書類は共有管理するほか、オンライン化し、いつでも、どこからでも閲覧できるようにします。
書類を保管するコストや場所を削減でき、スペースを有効活用できます。

専門業者に依頼する

フリーアドレス導入は自社で検討して進めることもできますが、さまざまなノウハウを持った専門業者に依頼すれば、現状の課題解決に向けた最適なレイアウトを提案してもらうことができます。
ノウハウを持つ専門業者はフリーアドレス導入前のニーズ調査、社内の課題の把握、レイアウト案の提案、工事、導入後のメンテナンスまでカバーしてくれます。フリーアドレス導入を成功させるなら、専門業者に相談・依頼することは確かな方法です。

フリーアドレスは、女性・男性どちらにとっても優れた働き方

フリーアドレスを成功させるには、社員のニーズを把握する際に、女性社員・男性社員に特有の悩みや想定される問題を把握することが大切です。良かれと思って導入した施策が、ある人にとっては負荷や苦痛になっていることもあります。
フリーアドレス導入は大きなメリットがありますが、新しい取り組みには不安や問題がつきもの。導入して完了ではなく、導入後には実際の仕事の状況を確認し、社員の声を細かくヒアリングして、常に改善・改良を進めていくことが大切です。

フリーアドレスのメリットや導入時に検討したいことは?

まとめ

フリーアドレス導入の目的

オフィススペースの有効活用、社員同士のコミュニケーション活性化

フリーアドレス導入のメリット

社員のコミュニケーション活性化、業務効率の改善、社員の働き方改革

フリーアドレスが女性にとって不安に感じるとき

  • どの席に座っていいのかわからない
  • 誰が座ったのかわからない席は使いたくない
  • 上司に相談したいときに、上司がすぐ見つからない
  • 私物を置く場所がない
  • 結局、いつも同じ席に座りそう

フリーアドレスにおける女性にとっての問題点と改善法

  • デスクの汚れが気になる
    →備品としてウェットティッシュやアルコールなどを準備・常に清潔に保つためのルール作り
  • 私物を置く場所がない
    →セキュリティを考慮した個人用ロッカーの整備・かばん掛けフックやカゴの設置
  • どこに座ればいいかわからない
    →ランダム座席選択機能のあるツールの利用
  • 上司やチームメンバーの位置がわからない
    →座席管理システム・チャットツール・勤怠管理システム・スケジュールボードの活用

フリーアドレスが続かない原因

グループ化してしまう、集中力が続かない、フリーアドレスに向かない業種だった、業務管理がしづらい

フリーアドレスがうまくいく方法

導入の目的を社員で共有する、業務をペーパーレス化する、専門業者に依頼する

フリーアドレスは、女性・男性どちらにとっても優れた働き方である