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フリーアドレス導入その前に!(忘れがちな)IT関連準備、チェックリスト

「働き方改革」やDXの推進、さらに2019年に発生し未だ収束の気配が見えない新型コロナウイルス感染症などの要因により、働き方はここ数年で大きく変化しています。在宅勤務などテレワークが普及し、それに合わせてさまざまな業務をデジタル化したり、オフィスの縮小化やフリーアドレスを導入するなど、柔軟な働き方が普及しつつあります。

しかしただ単に導入するだけでは、うまく活用できずに失敗することも。新しい働き方に合わせて、環境の整備やツールの準備なども必要です。たとえば、フリーアドレスの導入は、省スペース化や部署を超えたコミュニケーションの活発化などのメリットがある一方で、出社の有無や着席場所の不透明さ、コミュニケーションの取りづらさなどの課題もあります。ここでは、フリーアドレスの導入を検討されている方に、これらの課題を解決するために合わせて準備したい、オススメのツールをご紹介します。導入前に、ぜひチェックしてみてください。

導入必須!フリーアドレス導入に役立つIT関連チェックリスト

チェックリスト
NO. カテゴリー 必要なツール 重要度
1 業務効率 コミュニケーションツール ◎必須
2 オフィス環境 座席管理システム ◎必須
3 業務効率 ワークフローシステム ◎必須
4 オフィス環境 受付システム ◎必須
5 オフィス環境 Wi-Fi環境構築 ◎必須

コミュニケーションツール

フリーアドレスに限らずテレワークなどの場合も、固定席がないために、肩を叩いてちょっと確認したり相談したりということが難しくなります。また、内線電話などもないため、確実に連絡が取れるツールが必要です。

LINE WORKSやSlack、Chatworkなどのビジネスチャットツールや、Workplaceなどのビジネス向けSNSがあれば、1対1やグループ単位でチャットできたり、ツールによってはビデオ会議できるものもあり、急ぎの場合は口頭での会話も可能です。煩雑になりやすいメールでのやりとりとは違い、必要なメンバーに必要な情報を共有するのに便利なツールです。

座席管理システム

フリーアドレスの場合、誰がどこに座っているかわからないため、直接会話したい相手を探さなければならず、非効率的です。また、誰がいつ出社するかわからないため、確実に自分の座席が確保できるか、という不安もあります。

座席管理システムがあれば、座席の利用状況を把握でき、日時を指定して出社時の座席を予約できます。また、たとえば稟議書に押印をもらいたい場合など、相手を探さなくてもシステム上で検索したり、離席情報を登録できるシステムなら在席を確認することもできます。コロナ禍においてソーシャルディスタンスを確保したい場合など、予約できる座席をシステム上で設定できるなど、運用に合わせた細かな対応も可能です。フリーアドレスの導入には、欠かせないツールです。

ワークフローシステム

申請や稟議を紙で運用している場合、固定席がないと、まず承認者や決裁者の座席がわからない、という問題が発生します。さらに、固定席なら離席していても机に申請書や稟議書を置いていき、押印してもらったら次の人に回送する、という運用が可能でしたが、それもできません。

クラウド上で承認や決裁が可能なワークフローシステムなら、紙で回す必要がないため、座席云々は関係なく申請や稟議を回送することができます。さらに、デバイスさえあれば対応可能なため、オフィスに不在でも、隙間時間にでも対応可能!申請の滞留を防ぎ、承認の進捗もシステム上で確認できます。コミュニケーションツールや座席管理システムと同様、フリーアドレス運用に非常に役立つツールです。

受付システム

フリーアドレスで固定席がないため、当然固定の内線電話も設置できません。お客様が来訪された場合、担当者への連絡はどのように行えばよいでしょうか。

会社で貸与するスマートフォンを内線化したり、担当部署から座席管理システムなどで連携することもできますが、それよりも専用の受付システムを導入すれば、直接担当者へ通知されて便利です。スマートフォンを準備するコストの削減や担当部署の業務効率化にもつながります。

Wi-Fi 環境構築

フリーアドレスの場合、フロアのレイアウトの自由度はかなり高くなりますが、座席の位置によってネットワークの繋がりやすさに差が出るようでは、業務の効率が悪くなります。
フロアのどこにいてもネットワークが必ず繋がるように、フロア全体(複数フロアにわかれている場合などはビル全体)に行き渡る、堅実なWi-Fi 環境の構築が必須です。

あると便利!フリーアドレス導入に役立つIT関連チェックリスト

チェックリスト
NO. カテゴリー 必要なツール 重要度
1 業務効率 プロジェクト管理システム ○あると便利
2 業務効率 ファイル共有システム ○あると便利
3 業務効率 共有スケジューラ ○あると便利
4 業務効率 ビデオ会議システム ○あると便利
5 オフィス環境 勤怠管理システム ○あると便利

プロジェクト管理システム

フリーアドレスやテレワークなどでプロジェクトメンバーが近くにいない場合、ちょっとした会話や相談事もしにくいため、少なからずプロジェクトの進捗や管理に影響が出ることもあります。業務状況が見えづらく、工数の把握もしづらいという問題点も発生します。

プロジェクト管理システムを利用し、プロジェクトの進捗や問題点などを入力することで、詳細なタスク管理からプロジェクトの全体管理まで可視化できます。フリーアドレスによる情報の見えづらさを補い、円滑にプロジェクトを進めることができるでしょう。

ファイル共有システム

フリーアドレスで固定席がなくなると、個人ごとの袖机もなくなり、紙ベースのドキュメントの保管場所にも苦慮します。テレワークでオフィスに居ないときに、必要なドキュメントを閲覧したい場合もあるでしょう。

紙のドキュメントは電子化して、クラウド上のファイル共有システムにアップしておけば、いつでもどこでも閲覧可能です。オンラインで編集もでき、社外も含むプロジェクト内での情報共有に活用できます。さらに、自社サーバーを準備・管理する必要がないため、運用上の業務効率化も計れます。ただし、重要ドキュメントもあるため、セキュリティには十分に留意する必要があります。

共有スケジューラ

固定席があれば、同部署内やプロジェクトメンバーの動きはなんとなく見えるものですが、フリーアドレスの場合は出社しているのかどうかさえ見えず、メンバーの動きはわかりようがありません。

座席管理システムと合わせて共有スケジューラを利用することで、出社の有無だけではなくスケジュールも確認でき、スムーズにスケジュールが調整できます。

ビデオ会議システム

フリーアドレスを導入するということは、さまざまな場所からの会議参加が考えられます。社内の会議室から参加するだけでなく、自宅から、あるいは社外から参加するメンバーもいるでしょう。

これからのハイブリッドワーク時代をみすえて、1対多、多対多でのビデオ会議ができる環境を準備しておくことをおすすめします。

勤怠管理システム

フリーアドレスやテレワークでは、出退勤が把握しづらいという課題があります。PCやモバイルから出退勤をシステム上で打刻することで、就業状況が確認できるだけでなく、労務管理にも直結するため、管理側の業務効率化も実現できます。

フリーアドレスの課題を解決するツールを導入して、快適なオフィス環境を実現しましょう

フリーアドレスの導入は、メリットだけではなくデメリットももちろんあります。ただフリーアドレスを導入するだけではなく、適切なツールも併せて導入することで、そのデメリットをカバーし、快適で業務効率も見込めるオフィス環境を実現することができます。ここでは、座席管理システムによる座席予約や、クラウドワークフローシステムによる申請・承認業務の電子化など、フリーアドレスの課題を解決できる便利なツールたちをご紹介しました。フリーアドレス導入に関する自社の課題をきちんと洗い出し、最適なツールを選択することが、成功するポイントです。ぜひご参考にしてみてください。

まとめ

導入必須!フリーアドレス導入に役立つIT関連チェックリスト

テレワークでの働き方を成功させるために必須のツールは以下

  • コミュニケーションツール:連絡・情報共有に活用する
  • 座席管理システム:座席確保や、誰がどこに座っているか把握できる
  • ワークフローシステム:申請や稟議をオンラインで承認
  • 受付システム:来客対応をスマートに行う
  • Wi-Fi環境構築:どこにいてもネットワークが繋がるようにし、業務効率を維持

あると便利!フリーアドレス導入に役立つIT関連チェックリスト

必須というわけではないがあると便利なツールは以下

  • プロジェクト管理システム:円滑にプロジェクトを進められる
  • ファイル共有システム:ドキュメントをどこからでも保管・閲覧できる
  • 共有スケジューラ:同僚の出社の有無やスケジュール確認に
  • ビデオ会議システム:どこからでもミーティングに参加できる
  • 勤怠管理システム:出退勤の打刻もしやすく、状況を把握しやすい

フリーアドレスの課題を解決するツールを導入して、快適なオフィス環境を実現しましょう

フリーアドレスを導入するとともに、自社に最適なツールも導入すれば、デメリットをカバーし、快適で業務効率も見込めるオフィス環境を実現することができる