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在席マネジメントシステムの導入でフリーアドレスの懸念点を解決

働き方改革がすすめられ、ワークスタイルにも変化が出てきています。なかでも、さまざまな企業で注目を集めているのが「フリーアドレス」です。しかし、フリーアドレスを導入したものの懸念点があると考える企業も少なくないようです。そこでこの記事では、フリーアドレス導入の懸念点と解決法や、懸念点を解決するツール「座席マネジメントシステム」について解説していきます。

在席マネジメントシステムで効率的にフリーアドレスを導入

多くのメリットがあるフリーアドレスが一般的になりつつありますが、その一方でフリーアドレスの導入に懸念点もあるのも事実です。これからフリーアドレスの懸念点とその解決法や、懸念点を解決するツール「在席マネジメントシステム」について説明していきましょう。

フリーアドレス導入の懸念点と解決法

フリーアドレスの導入の際には、どのような懸念点があるのか、解決法とともに解説していきます。

新しいシステムの導入に対する不安

新しいシステムを導入するとなると、多くの人にとっては不安なものです。フリーアドレスの場合には、自分の席で仕事をするという従来どおりのワークスタイルと大きく異なることに、不安や違和感を抱くことがあります。また座席が毎日変わるため、仕事環境の変化にとまどう人もいるでしょう。そういった人にフリーアドレスを浸透させるのには、時間がかかるかもしれません。

解決法

新しいシステムの導入に対する不安の根本は、周囲の理解を得られていないことがほとんどです。よって導入する前に、フリーアドレスとはなにか、フリーアドレスを導入する目的、得られるメリットなどを伝えておくと、ある程度不安を取り除くことができます。

席が固定化してしまうリスク

フリーアドレスでは好きな席を自由に選べます。そのため、同じ席を毎日選ぶことも可能なのです。そうすると、いつの間にか席が固定化してしまったというケースも少なくありません。また席は変わっているものの、周りのメンバーが固定化されているということもあります。これではフリーアドレスを導入した意味がなくなってしまいます。

解決法

席の固定化を防ぐには、ルールを設けるとよいでしょう。たとえば、

  • 前の日と違う席を使う
  • 前の日と同じ人の近くに席を取らない
  • 席をランダム抽選制にする

などです。在席マネジメントシステムのなかには、席を抽選する機能がついたものもありますので、そういったものをうまく活用するのも一案です。

集中力の低下

フリーアドレスでは、他部署の人と距離が近くなり、コミュニケーションをとることが増え、社内が活性化するのもメリットです。しかし交流や雑談ばかりが活発になると、集中力が低下し、作業効率が下がることがあります。

解決法

集中力低下を解決するには、目的に応じたスペースを用意するのがおすすめです。たとえば作業に集中したい場合には「集中席」を設ける、交流をしたい場合には「オープンスペース」や「カフェスペース」を用意するなどです。効率的に業務が進められる場所を用意し、自ら場所を選んで作業しましょう。

セキュリティの問題

フリーアドレスでは、セキュリティが甘くなる傾向があります。個人の私物をその都度使うデスクに持ち出すことになるため、紛失や窃盗などが起こりやすい状態になってしまいます。「社外秘」や「部署外秘」といった資料を紛失した場合には、会社を揺るがす大問題に発展するケースもあるため、フリーアドレス導入時にセキュリティ強化は必須です。

解決法

セキュリティを強化するためには、個人ロッカーの設置、入退出管理の徹底、書類や資料のペーパーレス化などがあります。とくに書類のペーパーレス化は、書類の持ち運びを減らすことができるため、紛失や窃盗リスクが軽減できます。

チーム・同部署内の連携不足

フリーアドレスでは、他部署の人との交流やコミュニケーションが増えるのがいい点ですが、その一方で、チーム・同部署内の連携が不十分になることもあります。そうすると業務の進捗状況がつかめず、業務にさまざまな支障が生じることもあります。

解決法

チームや同部署内の連携を十分に保つには、グループアドレス形式を取り入れるという方法があります。グループアドレス形式とは、部署やチームごとにエリアを作成し、そのエリア内で席を選ぶ、フリーアドレスの形式のひとつです。チームや同部署内のメンバーが近くにいるため、連携不足を解消することができます。

また週に何度かは部署内でのミーティングを設定したり、同一部署のメンバーが一緒に仕事をする日を設けるといった方法もおすすめです。

マネジメント機能が低下してしまう

フリーアドレスでは毎回席が変わるため、誰がどこにいるのか特定できません。社員がどこにいるのかがわからず、所在管理が難しくなったり、探すのに時間がかかったりすることから、業務に支障をきたすことがあります。

解決法

マネジメント機能が低下するのを解決するには「在籍マネジメントシステム」を導入するのがおすすめです。在籍マネジメントシステムの導入により、誰がどこの席にいるのかを確認できます。またオフィスを可視化できるため、電話や訪問者の取り次ぎや会いたい人を探すのに役立つのもメリットです。

在席マネジメントシステムとは

「在席マネジメントシステム」は、オンラインで座席予約や空席確認ができるシステムです。オフィスを可視化できるのが特徴で、誰がどこの席にいるのかも確認できます。

在席マネジメントシステムができること

在席マネジメントシステムにはさまざまなものがありますが、ここでは在席マネジメントシステムに備わっているおもな機能を解説していきます。

座席・図面の表示による可視化

在席マネジメントシステムには、実際のオフィスのフロアに合わせた座席・図面を登録することが可能です。これにより誰がどの席を利用しているのか、空席はどこかなどが可視化できます。

座席予約

在席マネジメントシステムでは、座席の予約ができます。座席の予約は利用する当日から数か月先まで、利用する日時に合わせて確実に座席をおさえられます。またランダム抽選機能や、細かい条件での席の検索ができる機能をもつタイプもあります。

なお座席の予約はオンラインでできますので、どこからでも予約可能です。

座席のチェックイン・チェックアウトをリアルタイム表示

座席のチェックイン・チェックアウトは、スマートフォン、カードのタッチ、QRコード読み取りなどでできます。また、それらはリアルタイムで反映されるのが特徴です。リアルタイムで表示されることで、空席などにすぐに対応できます。

また一定時間チェックインされない場合は、自動的にキャンセルできる機能が備わっているものもあります。

社員の座席・ステータスの検索

在席マネジメントシステムでは、誰がどこに座っているかを確認できるだけでなく、特定社員を検索することも可能です。この機能を使えば、電話をつなぐときや、来客の際などで社員を探す際に役立ちます。

また特定の社員の現在のステータス(打ち合わせ中・外出中・テレワーク中など)の確認も可能で、チームや部署内での情報共有にも有効です。

座席の利用実績のデータ保管・集計・分析

在席マネジメントシステムには、座席の利用実績をデータ化し、保管できる機能も備わっています。たとえば利用時間帯、座席の利用率、過去にだれがその座席を利用していたかなどが把握できます。またデータを集計・分析して、感染症対策に活用することも可能です。

在席マネジメントシステムの利点

在席マネジメントシステムを導入すると、どのような利点があるのか説明しましょう。

オフィスの省スペース化

在席マネジメントシステムによって、座席の利用状況や履歴といった利用実績をデータ化することができます。このデータを活用することで、フリーアドレスの席数はいくつ用意すればよいのかがわかり、ムダなスペースの有効活用や、オフィススペースの縮小なども検討できます。

業務効率・生産性向上

在席マネジメントシステムでは、在籍・作業状況、進捗状況を把握できるため、スムーズに情報共有できるのがメリットです。これにより連帯感が生まれ、業務効率アップや生産性向上につながるでしょう。

ペーパーレス化によるセキュリティ強化

在席マネジメントシステムの活用には、ペーパーレス化が必須です。ペーパーレス化によって書類の共有がしやすくなり、書類を収納していたスペースを有効活用できます。また重要書類の紛失や盗難、情報漏洩などのリスク回避にもつながるのもいい点といえるでしょう。

在席マネジメントシステムの導入でフリーアドレスの課題を解決

フリーアドレスにはさまざまな課題がありますが、在席マネジメントシステムを導入することで、ほとんどの課題は解消することができます。効率的な座席管理・マネジメントのために在席マネジメントシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

フリーアドレスを導入したものの懸念点があると考える企業も多い。懸念点を解決するツール「座席マネジメントシステム」について解説。

フリーアドレス導入の懸念点と解決法

新しいシステムの導入に対する不安:フリーアドレスとはなにか、フリーアドレスを導入する目的、得られるメリットなどを伝えることで解決

席が固定化してしまうリスク:ルールを設け、在席マネジメントシステムなどを使用して解決

集中力の低下:目的に応じたスペースを用意することで解決

セキュリティの問題:個人ロッカーの設置、入退出管理の徹底、書類や資料のペーパーレス化などで解決

チーム・同部署内の連携不足:グループアドレス形式、定期的な部署のミーティングや一緒に仕事をする日の導入で解決

マネジメント機能が低下してしまう:在籍マネジメントシステムを導入して解決

在席マネジメントシステムとは

オンラインで座席予約や空席確認ができるシステムで、オフィスを可視化できる

在席マネジメントシステムができること

  • 座席·図面の表示による可視化
  • 座席予約
  • 座席のチェックイン·チェックアウト
  • 社員の座席·ステータスの検索
  • 座席の利用実績のデータ保管·集計·分析

在席マネジメントシステムの利点

  • オフィスの省スペース化
  • 業務効率·生産性向上
  • ペーパーレス化によるセキュリティ強化