考え抜かれたオフィスレイアウト、コミュニケーション活性化のためのフリーアドレス。
NFCタグを活用して感覚的に利用できるようにした「YourDesk」は、「B l e n D & D e s i g n」のオフィスを実現させていくうえで不可欠な存在に。

- 社名
- 大日本ダイヤコンサルタント株式会社 九州支社様
- お話を伺った方
- 管理部 管理室 井口大輔様
- URL
橋梁を中心とした構造物の計画・設計に強い大日本コンサルタント(株)と、地質・地盤の調査・解析に強い(株)ダイヤコンサルタントが2023年に合併し、大日本ダイヤコンサルタント株式会社となりました。社会基盤整備それぞれの分野に優れた技術を有する総合建設コンサルタントとして、地質・地盤の調査・解析から企画・設計まで一貫した高品質なサービスを提供してまいります。
簡単に御社の業容をご紹介ください。
大日本ダイヤコンサルタント株式会社は、インフラ系のコンサルティングを行う企業です。インフラ構造物の調査、計画、設計のほか、都市計画やエネルギー関連の業務など、多岐にわたる社会資本の整備を実施しています。
九州支社様はどういったお仕事をされているのでしょうか。
九州支社では主に九州地方内に存在するインフラ構造物の調査・設計や維持管理、都市計画等を行っています。実例には、土木学会の賞を複数受賞した天城橋(熊本県上天草市)の設計やJR佐賀駅前広場整備事業などが挙げられます。また九州では自然災害も多いため、2016年に発生した熊本地震や今年8月に鹿児島県霧島市を中心に発生した豪雨災害においても、迅速な復旧対応を実施しました。
弊社は、大日本コンサルタントという主に橋梁や道路、都市計画、エネルギーについての実績がある会社と、ダイヤコンサルタントという地質調査や国土保全の実績がある会社が合併し、大日本ダイヤコンサルタント株式会社となりました。2つの得意分野が異なる会社がひとつになったことで、事業範囲がより広がり、大きなシナジーが生まれています。
どういった経緯で「YourDesk」を導入されたのでしょうか。
2社の合併は2023年7月に実現しましたが、九州支社では、2025年7月にようやく事務所の統合に伴う移転が実現しました。同じ会社とはいえ、今まで別のオフィスで仕事をしていましたから、顔も名前も全然知らない人たちが同じ事務所で働くことになります。これをどうやって解決していくかということが、今回の移転でのポイントでした。
それまでは固定席で仕事をしていましたが、移転した現在のオフィスでは、フリーアドレスを導入しました。
フリーアドレスを導入する企業の目的としては、省スペース化による運用コストの削減などがあると思いますが、弊社の場合はコミュニケーションの活性化を期待した導入になりました。人と人が話す機会、顔を合わせる機会を増やすためには、必然的に異なる部署の人と座ることになるフリーアドレスが効果的です。一方で、チームで動きたいとき、チームの人に話があるときに「誰がどこにいるかわからない」状態を防ぐために、座席管理システムは必須だということになり、「YourDesk」の導入となりました。
また、それぞれのデスクにはネームプレートを設置できるようにし、通路を通りながら座席を見るだけでも、そこに座っている人がどこの部署の誰なのかわかるようにしています。


オフィスには50型のモニターを3か所ぶら下げており、そこに「YourDesk」の画面をサイネージとして映しっぱなしにしています。そこで誰がどこに座っているかを全体的に一目で把握できますし、実際のデスクではネームプレートで確認できる。デジタルとアナログの両方で把握できるようになっています。

他の支社でもフリーアドレスを導入しているところはあるのですが、2年経ってもまだ名前と顔が覚えられないということがあるようです。でもネームプレートを自分が座る席に設置するようにすれば、最も容易に顔と名前を覚えられます。座席管理システム「YourDesk」と併用するようになって、1~2か月でおおむね顔と名前を把握できるようになったと社内でも評判です。
「YourDesk」と「ネームプレート」を併用するのは良いアイディアですね!「YourDesk」にした決め手はなんだったのでしょうか。
座席管理システムの選定には、他社を含め6社くらいを比較しました。
決め手は、まずは費用感。125名ほどが利用して、月額コストが2~4万円で収まるということが希望でした。そして、絶対外せない決め手は、部署ごとに色分けができることでした。
建設コンサルタントの仕事は、一人でやることがほとんどありません。大小の差はありますが、必ずチームで仕事を行います。そのため、自分と同じ部署の人や自分の上司がどの辺に座っているのかがパっと見てわかり、自分の座席を決められるようにしたかった。その点は選定の時にも相当重視させていただきました。
フリーアドレスを導入している他の支社では、座席管理システムを導入しておらず、スプレッドシートなどで簡易的に座席を管理しています。九州支社が初めて座席管理システムを導入しました。
他の支社が管理や見易さの面で不便そうにしているのを見ると、九州で「YourDesk」を導入したのは正解だったなと感じています。
「YourDesk」を導入してみていかがだったでしょうか。
導入時に、使い方がわからないとか、そういった混乱は全くありませんでした。朝出社してきて、「今日は自分はどの席に座ろうかな」と大型のモニターを見て選んだりして、皆結構楽しそうにやっています。
御社では、「NFCタッチ」を活用されていますが、どのような使い方をしているのでしょうか。
座席へのチェックイン・チェックアウトを感覚的に操作できるようにしたいと思って導入しました。機能として、NFCタッチが利用可能な座席管理システムもあると思うのですが、それを選んでもセッティングは結局こちらでやることになるので、負荷としては同じと思い「YourDesk」で活用しました。
「YourDesk」で発行される座席一つ一つのQRコードのURLを、無料アプリでNFCタッチ用の磁気シールに登録していきます。そのシールを座席に貼っておけば、スマートフォンをかざすだけでチェックイン・チェックアウトできます。カメラを起動してQRコードを読み込むという手間を省略でき、スムーズに着席できます。
座席数分のシールにURLをセッティングする必要があるので、初期設定には時間がかかりますが、利用者はカメラ起動などチェックイン・チェックアウト時の毎日のひと手間が省け、利便性を考えるとやってよかった施策です。

NFCタグの活用は確かに便利ですね。参考にさせていただきます。御社のオフィスは広いですし、一つ一つの座席にシールを貼るのは大変でしたね。
大変でした(笑)。
現在、110人くらいに対して150席あります。在宅勤務をそこまで推し進めていないので、ほとんどは毎日出社して働いています。現場業務など出張がそれなりにあるので、実際の人数としては、70~80%の出社率です。

今回初めてフリーアドレスを導入したということで、モニタリングにも注力し、「YourDesk」の集計機能のデータでグラフを作成し、座席の使用比率などをチェックしています。
人気のある席、ない席、部署による座席利用の偏りなどは、実際使用している従業員も、感覚的にはわかっているかもしれませんが、改めて数字ベースで提出されれば「意外とここら辺が使えていないね」と明確に理解できます。オフィス移転からまだたったの1か月であり、皆にはこれからもっと柔軟な動きを促したいと考えているので、数字ではっきりと出しています。

同じ部署の人がどのあたりに座るかが段々とわかってくると、「この辺りに座ろう」という既成概念にとらわれてしまうんです。そうすると、出社して「なんとなく」座ってしまう。それではオフィスコンセプトを達成できないままとなってしまいます。
今回のオフィス移転のコンセプトとして「B l e n D & D e s i g n」という言葉を掲げているのですが、フリーアドレスのオフィスで自然に起こる会話や挨拶が、新オフィスのいい文化を創り上げていくと考えています。既成概念にとらわれて同じような場所に座るのではなく、作業内容や気分で座席を柔軟に変えていくことがフリーアドレスにおいて大切な意識だと思います。


今、コンセプトのお話が出ましたが、レイアウトもそのコンセプトにのっとって考えられたのでしょうか。
はい。図面から私が作成し、内装のデザインも業者と一緒に考えました。本来デザイナーに任せてもいい部分なのですが、自分たちが感じたり思っていたりすることをダイレクトに表現したくて、こだわりました。ここまで革新的なコンセプトやデザイン、フリーアドレスを導入したというところも、全社の中で初の試みだったんです。社内事例がない中で、前例をベースに考えることを避けたかった。もちろん業者とも綿密にコミュニケーションをとっていましたが、私が考えたものをベースに展開してもらいました。

木(“Moku”)目の美しい大テーブルが落ち着きのある空間を創出。集中して黙々(“Moku”“Moku”)と作業に取り掛かることができる、ノーマルのようでニューノーマルなセクション。
他の支社は一般的ないわゆる「島式」のオフィススタイルが多く、固定席も多く残っています。会社の合併後、オフィス合併を実施したのは九州が4例目なんですが、オフィス合併のために移転も一緒に行ったのは九州だけなんです。他の支社は以前から使用しているオフィスを増床してオフィス合併をしています。そうするとどうしても元々のレイアウトや備品があるせいで大きく改善することができないのですが、九州の場合は場所も内部のレイアウトも内装のデザインも刷新できました。

窓際に並ぶカウンターではその景色を見ながら自然光(”Kou”)を豊富に吸収でき、リフレッシュとともに生産効(”Kou”)率を向上させることができます。
今までとは全然違うので、従業員にも不安はあったようですが、一度入ってみると楽しい気持ちになるオフィスになりました。オフィス全体に柔軟性があり、朝は皆が楽しんで席を決められているのが、いいなと思っています。

枠(“Waku”)のみで仕切られたオープンな会議空間は心地よい新たな部屋を創り出す。可動できるパネルにはモニターやホワイトボードが設置してありワクワク(“Waku””Waku”)するアイデアを創出するのにぴったり。
60年以上の歴史のある会社のオフィスといえば、トラディショナルになりがちだと思いますが、こちらはとても新しいですね。
私は新卒6年目の28歳です。オフィス移転といった大きなプロジェクトは通常役職の高い人が中心に実施することが多いため、トラディショナルな感じになりがちだと思いますが、今回私にかなりの比重を任せてもらえたので、若手の意見を取り入れ、最新のトレンドなども意識しました。情報収集にオフィスのショールームを見学に行ったりしました。
私は海外旅行によく行くのですが、シアトルにあるAmazonの本社なども見に行きました。デザイナーが作ったコンセプチュアルな空間で実際に働いている人を見て、こういう環境もありなんだと、刺激になりました。もちろんそのまま同じようにするには費用の問題もあるし、今までと違いすぎるのも大変ですから、うまく自社風にアレンジできないか考えました。
また弊社独自のオフィスの在り方にも合わせる必要がありました。
弊社のお客様の多くは、地方公共団体や国、都道府県、市区町村、民間だとNEXCO様や原子力発電所などですが、お客様によっては、まだまだ紙媒体でのお仕事が必要になります。また、我々は図面を扱うので、どうしても各席にモニターが必要になります。一般的なフリーアドレスのオフィスのように、ノートパソコン1台をそれぞれ所持してどこにでも座れます、というスタイルでは、弊社のオフィスとして最善とは言えません。このような、弊社独自の仕事の仕方に対応したスタイルを考えるのは大変でした。
弊社では全席デイジーチェーン対応モニター(ノートPCからUSB-Cケーブル1本でモニターに接続でき、複数台のモニターを使用できる)を採用していますが、機能がモニターによって様々であるため、旧事務所で使っていた100台+100台のモニターを一台ずつ確認し、古い120台は廃棄し、残りのモニターを「この席はこの構成」「この席はこれに対応する」と調査し、新規購入の100台と合わせてオフィスの図面上に描きました。開封や移設作業は本当に大変でしたが。モニターアームのついた席が40席ほどありますが、この設置にも結構な労力がかかりました。管理系の部署総出で対応しました。

そんな努力の甲斐あって、合併後新たなスタートを切るためにふさわしいオフィスができあがったんですね。御社のオフィスは、新しい中にも、いい意味での日本的な印象があり、安心感があります。
オフィスインテリアのデザインは、基本的に私のほうで内容にあう什器をすべて選定させていただきました。
例えば、ラウンジと呼ばれるカフェのような空間では日本の四季をイメージした色合いを展開していて、ピンクで桜、黄色で紅葉といったものを表現しています。カーペットは緑が主体なのですが、日光の当たる窓際には濃い緑を使い草が生い茂るイメージを、ラウンジ側は黄緑で広々とした芝生をイメージしています。

名前の通り「四季(“Shiki”)」を表した広大なカフェラウンジは新緑や紅葉、桜など多くの植物を想像させ、四季の自然を味わうことができる。仲のいい人も、初めて話す人も、お互いがリラックスできる雰囲気を創出し、支社全体の士気(“Shiki”)向上も期待できる。
こういうカフェのような場所で仕事をするということは、抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは弊社がこれまでその文化がなかっただけであり、緑に囲まれて美しいスペースで仕事をする、特に打合せや休憩時間などリフレッシュできる時間は働いている中ですごく大切な感覚だと思っています。PCやモニターを持ち込んで一日中ここにいてもいいし、図面を広げられる広めのテーブルや必要に応じて形を変えられるテーブルも置いてあります。
通路には、水の流れをイメージしたカーペットを敷いています。朝などは特に、通路に人が集まってしまいがちなので、歩きやすい広さと長さ、そして視覚的にも動線を確保するように工夫しました。

川の水(“Sui”)面をイメージさせる一直線の長い廊下はそれぞれのセクション間をスイスイ(“Sui””Sui”)移動できる。またメインの導線となるため、必然的に従業員同士が顔を合わせるコミュニケーションの場としても活躍する。
我々の仕事は自然を相手にしているところがありますから、こういうイメージになったのかもしれません。
「YourDesk」に関して課題などありましたらお伺いできますでしょうか。
座席の使用率や固定化傾向などを確認する際に、現在は集計データをCSVでダウンロードし、必要なソートをかけてグラフ化するなどの作業を行っています。
もし可能であれば、管理画面で「この席が人気です」「このエリアの使用率が低くなっています」といったことを、図面上にパッと表示してくれるとか、アラートを出してくれるとか、もっと視覚的・感覚的に表示していただけると嬉しいです。そうすれば不定期の会議などでも資料として報告しやすいですし、定期的にオフィス内に周知するのも楽になると思います。
「YourDesk」に関して、今後の御社の展望などあればお聞かせください。
このオフィスのコンセプト、「B l e n D & D e s i g n」は移転から1か月経過した今は新鮮味がまだ強いです。しかし、オフィスデザインの効果を出すのには、継続的な意識が絶対に必要になってきます。
使用率のデータをもとに、社内メールで「週に1階は向こうのエリアを利用しましょう」といった行動の目安を伝えたりしていますが、そういうことをそれぞれが意識した上で行動し、継続していき、だんだん成熟し、やがては文化となることが、新しいオフィスでは重要なのだと思います。
「B l e n D & D e s i g n」のオフィスを実現させていくうえで、誰がどこにいるのかすぐわかるようにすることや座席の管理ができる「YourDesk」は不可欠です。「YourDesk」を使用して、例えば上司が仕事の途中で「ここにこの部署が固まって座っているな」と確認したり、廊下を歩いているときに、上にある吊り下げモニターで「あの人たちはこの辺りにいるんだな」と何気なく認識したりと、日々意識していくことが「B l e n D & D e s i g n」の実現に繋がります。管理者としては、使用率の集計から見えてくるものもあります。
オフィスにいる一人ひとりの意識がオフィスをどんどん良くし、成長させていきます。オフィスを育てるということは、様々な要因が影響し螺旋状に成り立っていくものだと思います。その螺旋に、「YourDesk」が貢献してくれると実感しています。
井口さんはこの後東京に異動されるということですが、これだけ手をかけたオフィスを離れるのは寂しいのではないでしょうか。
「B l e n D & D e s i g n」のオフィスを残すことは私の九州でのゴールでした。今後「こんなオフィスを作ってもいいんだ」という感覚が皆の中に生まれ、他の拠点でも参考にしてくれるような、先駆けとなるオフィスを作りたかったんです。もちろん東京への異動にあたり九州支社に出社しなくなることは少し寂しいですが、他の拠点でも想いのあるオフィスが作られることで、会社全体が良い方向に向かうといいと思っています。

-YourDesk スタッフ一同より-
信頼と実績、そして歴史ある会社の新たな一歩にふさわしいオフィスを拝見できました。これからのオフィスの成長に「YourDesk」が貢献できるということはとても誇らしいです。お話を伺わせていただいてありがとうございました!