テレワークが一般的になり、例えば「今日はテレワークなので、会社に電話しないでメールをください」というような、自分がテレワークをしていると英語で伝えることが必要になることもあるでしょう。急に改めて英語で表現しようと思うと、「そういえば、テレワークって英語だっけ?」と一瞬悩むことも。ここではテレワークにまつわる英語表現の基本について改めてお話しします。
そもそも「テレワーク」は英語?リモートワークとの違い
テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」を指す言葉です。英語の"Tele"(離れて)と"Work"(仕事)を組み合わせた造語ですが、実はきちんとした英語として辞書にも掲載されており、アメリカNASAのエンジニアが作った言葉と言われています。名詞としても動詞としても使われます。
日本においては、働き方改革を推進する厚生労働省などの官公庁が「テレワーク」という言葉を積極的に使用しているため、ニュースなどで頻繁に耳にする機会が多く、和製英語のように感じられるかもしれません。しかし、英語圏でも「telework」は広く認知されており、同様の意味で使用されます。
他にもよく使われているのが「リモートワーク (remote work)」です。こちらもテレワークとほぼ同義で使われる一般的な英語表現です。
"Remote"(遠い・遠方の)と"Work"(仕事)を組み合わせた言葉で、"Remote working" で名詞句、"work remotely" で動詞として使われます。
英語でのテレワークとリモートワークのニュアンスの違い
日本語ではテレワークもリモートワークも一般的に同じ意味として使われますが、英語では少しニュアンスが異なります。それぞれの言葉が持つ意味合いの違いを理解することで、より正確なコミュニケーションが可能になります。
- ●テレワーク(Telework)=オフィスで働くことをメインとする
オフィスに出勤することを前提としつつ、必要に応じてオフィス外で働く働き方を指します。例えば、週に数日は自宅で働き、残りの日はオフィスに出勤するような働き方です。この場合、働く場所は自宅やサテライトオフィスなど、比較的オフィスに近い場所であることが多いです。 - ●リモートワーク(Remote work)=オフィス以外で働くことがメインとする
オフィスに出勤することを前提とせず、働く場所を自由に選択できる働き方を指します。自宅はもちろん、カフェやコワーキングスペース、海外など、どこでも働くことができます。
このように、日本語では違いを気にせず同義語として扱う言葉も、英語で言った場合は伝わる印象が変わるので注意が必要です。
「テレワーク」を英語で伝えるには? 状況に応じた使い分け
「今日はテレワークなので、会社に電話しないでメールをください」を英語で伝える場合、以下の表現が考えられます。
- I'm teleworking today, so please email me instead of calling the company.
- I'm working remotely today, so please email me instead of calling the company.
テレワークの一般的な言い方
「テレワーク」はその働き方自体を表す名詞の意味合いが強く、英語の会話ではあまり頻繁に使いません。一般的によく使われるのは "work from home" という表現です。直訳すると「家で仕事をする」となり、テレワークやリモートワークの中でも特に在宅勤務の状況を指す言い方になります。
一般的な、自宅で行うテレワークを英語で表現するのであれば、
- I'm working from home today.
「今日は家で仕事をしています」という言い方が自然で伝わりやすい言い方となります。
「在宅勤務」は英語でなんていう?
日本でテレワークと同じように使用する言葉には、先に述べたリモートワークの他に「在宅勤務」があります。テレワーク・リモートワークは意味として自宅ではない場所(コアワーキングスペースなど)での仕事も含まれるのですが、在宅勤務は文字通り「自宅」での仕事ということになります。
在宅勤務を英語で表す場合、一般的には先に述べた "work from home" で、"WFH"と略されます。カレンダーの予定などにも "WFH" と略して登録されるほど、広く浸透しています。
その他の在宅勤務を表す英語表現
"work from home" の他にも、在宅勤務を表す英語表現があります。
- Telecommuting
:情報端末を使用した在宅勤務。完全に通勤しない場合に用います - Home-based work
:"home-based" が「在宅の」という意味なので、文字通り「在宅の仕事」を表します。
自宅以外で働く場合
なお、自宅ではなく例えばコワーキングスペースやカフェなど、オフィス以外の場所で働いていることを伝えたい場合は、
- Mobile Work
:移動中や客先など、情報端末を使用して自宅・会社以外の場所で働くこと
といった言い方があります。自宅にいないことを強調したい場合はこちらを使いましょう。
テレワークにまつわる英語表現まとめ
- ・Telework(名詞・動詞)
オフィスで働くことがメインというニュアンス - ・Remote working(名詞)、work remotely(動詞)
オフィス以外で働くことがメインというニュアンス - ・Work from home
「テレワークする」の一般的な表現、WFHと略して使うこともある - ・Telecommuting、Home-based work
在宅勤務 - ・Mobile Work
自宅以外でテレワークしている場合の表現
これらを覚えておけば、自分の状況を英語で伝えなければいけない場合に使えると思います。自分がどのような働き方をしているのか、ふさわしい表現で伝えれば、相手もこちらの状況をイメージしやすく円滑なコミュニケーションの一助にもなるでしょう。
まとめ
そもそもテレワークって英語?
テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のことで、"Tele"(離れて)と"Work"(仕事)を組み合わせた造語ではあるが、辞書にも載っている英語
「テレワーク」していることを伝えたい。英語でなんていう?
I'm working from home today.
(今日は家で仕事をしています)
「在宅勤務」は英語でなんていう?
一般的によく使われるのは"Work from home"
他には、
telecommuting:情報端末を使用した在宅勤務
home-based work:在宅の仕事
Mobile Work:自宅以外でテレワークをしている場合の表現