フリーアドレスとは何か?
フリーアドレスは、従来のように社員一人につき専用のデスクがあるのではなく、オフィススペースに設けられた席を自分で自由に選んで仕事をする、ワークスタイルのことをいいます。
フリーアドレスの効果とは?
フリーアドレスを導入することで得られる効果はたくさんあります。例えば、オフィススペースの有効活用や、シームレスな環境によるコミュニケーションの活性化、生産性の向上などです。そのほか、ペーパーレス化によるコスト削減、オフィス環境の美化などの効果もあります。
フリーアドレスでよくある問題点とは
従来のワークスタイルとは異なることから、フリーアドレスを運用してはじめて、問題点が浮き彫りになることがあります。ここでは、よくあるフリーアドレスの問題点をご紹介します。
問題点①準備が不十分
フリーアドレスの導入前にしっかり準備をしていないと、「座席が足りない」「席の固定化」「私物を収納する場所がない」などの問題が発生してしまいます。
問題点②コミュニケーションが活発化しない
コミュニケーションの活発化がフリーアドレスのメリットですが、実際に運用してみると、思いのほか活発化しないケースもあります。これまで接することがほとんどない社員同士がコミュニケーションをとるようになるには時間がかかることもあります。また、互いに気を使って仕事が進まないこともあるでしょう。
問題点③チームや部署内で業務が滞る
フリーアドレスでは、同じチームや部署の人と席がバラバラになります。そのため、チームワークが必要な業務がうまく進められないことがあります。また、新人の指導もしにくいです。
問題点④郵便物・電話の取り次ぎが困難
フリーアドレスでは、「だれがどこにいるのかわからない」という問題が起こりがちです。そのため、郵便物や電話の取り次ぎがうまくいかず、ストレスに感じることがあります。また、特定の人を探すのに時間がかかり、仕事の手が止まってしまうのも難点です。
問題点⑤席の固定化
毎日同じ席に座り、席を固定する人がいるのもフリーアドレスの問題点です。席が固定化するとフリーアドレスの意味がなくなり、コミュニケーションの活発化というメリットを得られないでしょう。
フリーアドレスを導入する際に確認したいオフィスの意義とは?
昨今ではテレワークの導入により、オフィスに行かなくても仕事ができるワークスタイルがあります。オフィスは必要ないのでしょうか。ここであらためて、オフィスの意義を確認しておきましょう。
オフィスの意義には、次のようなものがあります。
- ・社員同士のコミュニケーションを高める
- ・多様な働き方があるなかで、働く場所のひとつ
- ・帰属意識やチームワークを高める
これらのことにより、オフィスはこれからもなくなることはなく、必要な場所といえるでしょう。また、フリーアドレスのような環境をオフィスにつくることも、これからの働き方の選択肢のひとつです。
フリーアドレス導入の失敗例とは?
ここでは、フリーアドレス導入の失敗例を見てみましょう。
失敗例①導入目的が不明瞭
やみくもにフリーアドレスをスタートしてしまったがために、導入後にさまざまな問題が発生。また、社員も困惑し、フリーアドレスをうまく運用できずに結局廃止したケースもあります。
失敗例②集中できず、仕事効率が低下
これまでの固定席とは違いオープンな場所に席があることで、周りの話し声が気になって、仕事に集中できないという問題もあります。また、会話が弾んでしまって仕事効率が低下することも、失敗理由のひとつです。
失敗例③仕事道具の管理
フリーアドレスでは、ノートパソコンや書類、文房具といった仕事道具を席に持ち運びます。持ち運ぶ際にネックとなるのは、手間がかかること、紛失するリスクがあることです。もし、「社外秘」や「部署外秘」といった書類を紛失した場合には、会社を揺るがす大問題に発展しかねません。業務上、紙の書類を多く扱う企業ではフリーアドレスは不向きで廃止したケースもあります。
フリーアドレスの問題点を解消する方法とは?
フリーアドレスの問題点を解消する方法をご紹介します。
解消法①事前準備を行う
フリーアドレスを導入する前に、目的を明確にします。その上で、運用ルールづくりや目的に合ったレイアウト、ICT環境の整備、収納スペースの確保など、しっかり準備しておきましょう。また、試験運用してみて、問題点や課題点を洗い出し、改善しておくことも大切です。なお、事前準備には、十分な期間を設けてください。
事前準備したルールは定期的に見直ししましょう。課題となっている部分については修正し、社員一同快適に仕事ができる環境をつくるようにします。
解消法②フリースペースの設置
なかなかコミュニケーションが活発化しないという問題には、カフェスペースやリフレッシュスペースで解消しましょう。こういった場所は、会話が生まれやすい状態になります。ここからコミュニケーションをとるようにして、徐々にその輪を広げるとよいでしょう。
解消法③グループアドレスの導入
職種やチームなどのグループごとに決められたエリアのなかで自由に席を選べる「グループアドレス」。このグループアドレスを採用することで、チームやグループでのコミュニケーション不足を解消できます。また、1日に1回は部署内やチームでの情報共有する機会を設け、コミュニケーションを図ることも有効です。
解消法④人の位置を特定できるシステムの導入
人の位置を特定できるシステムを導入すれば、だれがどこにいるか可視化できます。特定の人をすぐに探し出せるので、電話や訪問者の取り次ぎもスムーズに行え、業務に支障をきたすことが少なくなるでしょう。
解消法⑤席を決めるルールを設定
席の固定化を防ぐためには、席を決めるルールを設定しましょう。例えば、「座席管理システムの抽選機能を使い、席をランダムに決める」「前日と同じ席は使わない」「3時間以上、席を離れる場合には改めて席を予約する」といった具合です。ルールは徹底するようにしてください。
また、「仕事が終わったら仕事道具はロッカーに片付け、デスク周りを掃除する」というルールを設けることも、席の固定化防止につながります。
問題点をクリアしてストレスフリーな環境をつくりましょう
フリーアドレスの問題点は、放っておくと仕事に支障をきたすことです。問題点はちょっとした工夫やルールづくりによって解消できるので、できるかぎりクリアにして、よりよい働く環境をつくりましょう。
まとめ
フリーアドレスとは何か?
オフィススペースに設けられた席を自分で自由に選んで仕事をするワークスタイル
フリーアドレスの効果とは?
オフィススペースの有効活用・コミュニケーションの活性化・生産性の向上・ペーパーレス化によるコスト削減・オフィス環境の美化など
フリーアドレスでよくある問題点とは
- ・準備が不十分
- ・コミュニケーションが活発化しない
- ・チームや部署内で業務が滞る
- ・郵便物・電話の取り次ぎが困難
- ・席の固定化
フリーアドレスを導入する際に確認したいオフィスの意義とは?
- ・社員同士のコミュニケーションを高める
- ・多様な働き方があるなかで、働く場所のひとつ
- ・帰属意識やチームワークを高める
フリーアドレス導入の失敗例とは?
- ・導入目的が不明瞭
- ・集中できず、仕事効率が低下
- ・仕事道具の管理
フリーアドレスの問題点を解消する方法とは?
- ・事前準備を行う
- ・フリースペースの設置
- ・グループアドレスの導入
- ・人の位置を特定できるシステムの導入
- ・席を決めるルールを設定