ABW(Activity Based Working)
読み方:えーびーだぶりゅー(あくてぃびてぃ・べーすど・わーきんぐ)
●概要
ABWとは、業務の内容やその日の気分にあわせて、働く場所や時間を自由に選択できる働き方のことです。従来のオフィスのように、従業員一人ずつ固定席が割り当てられるのではなく、オフィス内にある多様なワークスペースの中から、さらにサテライトオフィス、自宅、カフェなど、その時の業務に最適な場所を選んで働く場所を自由に決めることができます。
ABWは単なるフリーアドレスの進化形、またはその上位概念として捉えられることが多いです。
フリーアドレスが「席を固定しない」という物理的な側面に焦点を当てているのに対し、ABWは「仕事の効率や生産性を最大限に高めるために、働く環境を最適化する」というより包括的な考え方に基づいています。
ABWを導入したオフィスには、以下のような多様なワークスペースが用意されることが一般的です。
- 集中ブース:一人で集中して作業したい時
- グループワークエリア:チームで議論や共同作業をしたい時
- リラックススペース:休憩や気分転換をしたい時
- Web会議ブース:オンライン会議に集中したい時
- プロジェクトルーム:特定のプロジェクトチームが集まって作業したい時
- カフェテリア/ラウンジ:カジュアルな打ち合わせや交流をしたい時
従業員は、その日のタスクや気分に合わせて、これらのスペースを自由に選択し、働くことができます。オフィス以外の場所(自宅、カフェ、サテライトオフィスなど)で働くこともABWの考え方には含まれます。
また、ABWは働く「場所の最適化」を主な目的とし、オフィス内外の多様な場所が選択肢となるのに対して、ハイブリッドワークは「オフィス勤務」と「テレワーク」という異なる「勤務形態」を組み合わせたものとなります。ハイブリッドワークにおけるオフィスでの働き方を、より効果的にする要素の一つとしてABWは捉えられており、オフィス出社時に多様なワークスペースから自由に働く場所を選ぶ際に活用されます。
ABWは、単にオフィスから固定席をなくすだけでなく、従業員一人ひとりが最も生産性の高い働き方を選択できる環境を整備し、組織全体のパフォーマンス向上を目指すという、より戦略的なワークスタイル変革のコンセプトと言えます。
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